今回はサポートエンジニアのお話です!
これ久々のエンジニアシリーズなんですけど、よろしければ過去にもこんなん書いてますんで、興味があれば見て下さい!
今回はサポートエンジニアとはどんなお仕事で、どんなやり方でサポート対応をやるのか?を語っちゃいます。
サポートのコツについてもお話しますので、この辺の話は、サポートエンジニアに興味がない人も、覚えておくと役に立ちます。
非エンジニアの方も含め、ちょっとしたポイントを覚えておけば、明日からすぐ使えますし、きっとどこかで役に立つと思います!
サポートエンジニアに必要なスキル
サポートエンジニアは、顧客のお問い合わせを受け、問題の切り分けをして、解決策を提案するのがお仕事です。
地味な仕事なのですが、以下のように、製品知識+接客をハイブリットにこなすスキルが要求されます。
- ビジネス文章力
- 製品知識の理解
- 相手が解りやすい言葉で話せる
- サポート範囲を意識した回答ができる
- 丁寧かつ明確なお断りができる
大まかにいうと、顧客の利用イメージを前提とした商品知識が必要。でも、それだけではダメ。
接客業に近い対応も必要なため、接客スキルも必要なんです。
お問い合わせの進め方
次に、サポートエンジニアの方は、どのようにしてお問い合わせの対応を進めるかをお話します。
お問い合わせのパターンで多いのが「〇〇が出来ない。どうすればいいんだ、できない理由を教えろ」みたいに、できない事実だけを投げてくるケースが基本多いです。
しかし・・例えどんなに詳しい人でも、出来ない事実だけ、突然突き付けられても解りません。
解決するには、最低以下のような状況や背景が解らないと、解決策を提案できません。
- 何をやろうとしていて出来ないのか?
- なぜ出来ないという結論に至ったのか?
- どんな操作をしていて問題がでたのか?
一次切り分けとヒアリング
ここで必要なのが「一次切り分け」と「ヒアリング」
一次切り分けは、調査を進める最初の分岐点として、以下を明確にするのがとっても重要。
- システムによるエラーなのか?
- オペレーターのミスや認識が違うのか?
一番最初は「システム」の問題なのか?「人」の勘違いや操作ミスだったりしないか?を正確に切り分けます。
例えば、お客様が「不具合だ!すぐ直せ!」と言ってきても、すぐに「システム」の問題と思い込まない事!
これは私の経験ですが、うまくいかなければ、なんでも不具合だと言ってくるユーザーは非常に多いです。
しかし、実際にヒアリングをしてみると、お問い合わせの大半は「人」の操作ミスや、認識違いである事が多かったりします。
まず、再現性があるかを確認する
まず「〇〇ができません」と来たとしたら、まず以下を必ず明確にしましょう。
- 何かできなくて困っているか?
- どんな操作をしてみたのか?
- どんな事を試してみたのか?
お問い合わせ内容、情報が足りない場合はヒアリングを行います。
そして、ユーザーがどんな操作をしてできないと言ってるのか?それは自分の検証環境でやったら再現するのか?
このように、ヒアリングした内容を検証して動作を確認します。
そして、ヒアリングした内容と検証環境の再現性をみて、ユーザーがどんな状況であるかを割り出していきます。
- そもそも出来ない仕様である
- 間違った操作方法をしている
- 設定が間違っている
- できる筈の事ができない。
- できる筈だが、問題が再現しない
再現テストが成功のカギ
これ余談なんですけど「再現テスト」はサポートでは、かなり重要なポイントです。
実は、うまくサポートが運用できてないチームの殆どは、これをまったくやれてない事が原因と言っても、過言ではありません!
これをやらないと、何も考えずユーザーの言う事だけを鵜呑みにし、文章をそのままプログラマーに投げるだけの仕事になっていきます。
こうなると、もはやただの伝書鳩なので、存在意義も失われ、だんだん混乱や対立ばかり引き起こすチームになっていきます。
いやいや、こんなの普通にやってるでしょ?って思うかもしれませんが、実際やれてないとこは普通に多いです。
無茶振りで集められた寄せ集めのチームが、右も左も解らずチャレンジして、こんな状況によくおちいってたりしてます。
一次切り分けの続き
すみません、話がそれました。ここで一次切り分けのお話に戻ります。
再現テストにより解った事を、以下のように、さらに掘り下げて考え「人」の問題なのか「システム」の問題なのかを推測していきます。
▼そもそも出来ない仕様である
└認識違い
└人の問題
▼間違った操作方法をしている
└認識違い
└人の問題
▼設定が間違っている
└認識違い
└人の問題
▼いつもできる筈の事ができない。
└システムの問題
▼問題が再現しない
└システムの問題
└お客様環境
└ブラウザ・スマホ?
└認識が違う可能性もある?
└人の問題
上記のポイントをおさえると、このように人の問題なのか、システムの問題なのかを切り分ける事ができます。
ここまでできたら一次切り分け完了!
二次切り分け(人の問題)
では、人なのか、システムなのかを切り分けたら、次は二次対応をします。
まず、オペレーションや設定や認識違いなど、人の問題である場合は以下の対応をして、ちゃんと相手が解る言葉で伝えて解決に導きます。
- 正しい手順を説明する
- 正しい仕様を説明する
- 正しい設定を説明する
結果、ユーザーのやりたい事が、実現できない話になった場合でも、事実は丁寧にハッキリ伝えなければいけません。
ちなみにこういう場合、私は以下のような言いまわしをよく使っていました。
〇〇は不可となります。ご期待に沿えず申し訳ございません。
二次切り分け(システムの問題)
できる筈の事が、できなくなっているのは、明らかにシステムの問題です。
「〇〇を行うと、できる筈の〇〇が出来ない」こんな感じで、問題を確実に再現できる手順を割り出せば、プログラマーも不具合と判断して、迅速に問題解決を行えます。
ここで重要なポイント!確実に問題を再現できないものは、システムの不具合である可能性は低いです。
なぜなら、不具合やバグは、プログラムの問題なので、不具合が発生している場合は、すべての利用者に同じ事象が起きるからです。
特定の環境だけ出来ない
これは一番難しい問題なのですが、ユーザー環境の依存により、想定通り動かない場合があります。
この場合、問題はユーザー環境にしかでませんので、サポート側の環境で再現する事ができません。
※一次切り分けでこの場合だったときです。
▼問題が再現しない
└システムの問題
└お客様環境
└ブラウザ・スマホ?
└認識が違う可能性もある?
└人の問題
いまどきはSaaS型のアプリケーションが主流になってますので、スマホ+ブラウザで利用するシステムが多いです。
そのため、ブラウザやスマホ・タブレット・PCの環境が、一般的によく使われていないものである場合、想定通りの動きをしないケースがあります。
また、ユーザー側のネットワークに問題があると、SaaS型のアプリケーションは利用できません。
この場合は、環境のヒアリングをしつつ、環境依存による問題の根拠を示し、ユーザー環境に問題がある可能性を伝えるしかないです。
また、この再現しない問題の難しいところは、ユーザーが「ちゃんと利用している、設定している」と頑なに思い込んでしまい、正しい情報が得られていない可能性もある事です。
対策として、相手の画面が見れない場合、画面ショットをもらうなどして、出来るだけユーザーの発言よりも、実際の画面から状況を確認するのがおすすめです。
最後に
最後に、サポートを運用する上で、もう1つ重要なポイントは「やらない事」をちゃんと定義しておく事です。
サポート範囲外の内容が定義されていないと、提供しているサービスとは関係ない責任も負わされてしまう事になります。
自社のプロダクトではないものは、改修する事もできないし、公開されていない仕様もあるので、自社の力で解決に導く事はできません。
ここをちゃんと理解し、線引きをしないと、ユーザーが「何でやってくれないの」・・と言い続ける状況に陥るので注意しましょう。
また、オペレーションや認識違いなどのお問い合わせが多い場合は、ユーザーに提供する情報が不足している可能性があります。
このような場合は、ドキュメントやナレッジベースの検討を行い、情報提供の改善を実施する事で、サービス向上やサポートの最適化につなげる事ができます!
とにかく、サポートエンジニアは色々なケースを想定して、製品を検証しまくって動作を把握して慣れる事がポイントです!
現在、noteで「よっしーTECH」の下書き版公開中です! こちらもよろしくお願いします!
よっしーTECHはピンチの「joyfull」を食べて応援中です!