今回は引き続きデスマーチのお話!第二話です!
まだ読まれてない方は、ぜひ第一話も読んでみて下さい!
第一話では「エドワード・ヨードンの著書によると、デスマーチの原因は以下4つのどれかに該当している」というお話をさせていただきました。
- 与えられた期間が一般の半分以下
- エンジニアの必要な人数が半分以下
- 予算が通常の半分以下
- 機能や性能などの要求が倍以上である
↓ 第二話では、4項目のうちの1つであるこちらにフォーカスして語りたいと思います。
エンジニアの必要な人数が半分以下
こちらも前回同様、エドワードが言ってる話じゃなくて、単なる私の経験談です!
現場で一体何が起きていたのでしょうか?
今回もいつものノリで話しちゃうぞ!
また要件を確認してないとかそういう話?
「エンジニアが足りない」と聞いて連想するのはどんなイメージでしょう。
どうせまた、作業内容をちゃんと確認してないから、アサインする人数を誤ったとか、そういう話なんでしょ?
・・と思ってませんでしょうか?
もちろんそういうケースも沢山ありますが、今回のお話は少しパターンが違います。
エンジニアを沢山投入すればいいの?
現場のエンジニアが不足してるって話、どこの会社でも必ず聞きますよね。
だからと言って、エンジニアを沢山投入すればいい訳ではありません。
人をたくさん使えば、その分人月工数が大きくなるので、コスト面が跳ね上がります。
人が動いた分は、ちゃんとお金を貰わないと赤字になるのは言うまでもありません。
この様に人のリソースの話で、まず連想するのってコスト面じゃないですか?
しかし、こっちに気を取られていると、見落としてしまいがちな、デスマポイントがあるんです。
デスマポイントはこの2つ!
- エンジニアが環境を把握する為の時間
- エンジニアのスキル
ではなぜ、この2つを見落とすとデスマーチが起こるのか?
ここからはまたストーリーで!
① とあるプロジェクトで作業をしている開発のAさん。
無茶なスケジュールと少ない人数でも、なんとか頑張っているがもう限界が近い。
②長時間労働で今にも倒れそうな開発のAさんを見かねた、役員がAさんに聞きます
③Aさんは言いました。
④役員は状況が理解できたのでこう答えます。
⑤Aさんの希望通り、めでたく3名の人員がアサインされました。
⑥実はこの案件、これがトリガーとなり、デスマが発生しました。
さて・・どうしてこれがデスマの火種になったか?考えてみましょう
状況を考えてみる
確かにこれで人手は増えました、でも状況を改めて考えてみましょう。
要はこれ、全員未経験者な訳ですよ。
そしてAさんは仕事が手一杯でこれ以上仕事はできません。
この状況で、追加の人員がプロジェクトに投入されると、どうなるでしょう?
イメージしてみてください。
高確率でこういう事が起きます!
つまり、人員の追加が原因で、作業が減るどころか、やる事が更に増えちゃったんです。
結果こうなりました
こうしてAさんの仕事は、減るどころか、どんどん増えていきました。
とうとうAさんは終電帰りだけではすまなくなり、休みも寝る時間もなくなります。
そして長期的な無理が原因で体調を壊し、とうとうAさんは倒れてしまいました!
でもプロジェクトは続けなければいけません。
そしてここから・・身代わり地蔵のように、誰かが倒れたら、誰かへ投げるだけの無限ループが始まりました。
後任の担当は、もっと理解が浅いため事態は更に悪化します。そして・・・
最後はプロジェクトが崩壊しました。
この経験からわかったこと
そもそも、何で経験者でもない人がアサインされたの?そこが問題なんじゃないの?
・・と思いませんでしたか?確かに表面上はそう見えるんですよ。
しかし、実際の現場経験をもとにお話しをすると・・
この問題は、火を噴いたプロジェクトを何とかするため、急に増員をしたときだけに起きていました。
そう、ここが落とし穴なんです!
人を増やすにはお金もかかりますし、エンジニアは昔からずっと不足しています。
適切なエンジニアを、すぐに雇って見つけるのはまず無理でしょう。
それでも、現場は火を噴いているので、人手はすぐにでも増やさなければいけません。
こうなると内部で無理やり調達するか、SESや派遣で無理やりカバーするしかなくなります。
その結果、①~⑥が発生した。こんなストーリーだったんです。
そもそもの問題は?
そもそも、工数の見積もりがずさんな事が問題なのですが、気付くのも遅かった為、リカバリーすら難しい状況になっていたと思われます。
進捗管理から、工数に問題がある事にもっと早く気付き、スケジュールの引き直しを、お客様へ交渉すれば、リカバリーできたかもしれません。
進捗管理は、予定通り作業が進んでる事を管理するだけではなく、この様な問題を早めに洗い出し、相談する為のものでもあります。
ちなみに適切な人員を用意できたとしても、雇ったその日から戦力になるのは、どんな優秀な人でも無理です。
配属後は、まず現状の状況を理解しなければなりません。作業が可能になるのはそれらがクリアになってからです。
なので、配属から2~3か月経過したら、戦力として想定するのが一般的です。
ただ、火を噴いている案件は、めちゃくちゃな状況になってる事が多いので、もっとかかる可能性もあります。
トップダウンによる無茶な案件
また、お客様に言われたからと、トップダウンを多用し人員もスケジュールも、毎回無茶なプロジェクトを組むような会社も沢山ありました。
このような会社は、もう少し現場の意見を尊重すべきですが、訴えても声が届かない事が殆どでした。
※再現イメージ
会社の体質の問題である場合は、自分の力だけではどうにもなりません。
最後に自分の身を守れるのは自分だけです。
状況を冷静に見極めて、こちらから見切ることも常に考えておく事が重要です!
最後に
今回はデスマーチ第二話「エンジニアの必要な人数が半分以下」についてお話させていただきました。いかがでしたでしょう?
ちなみに今回の状況が起こっていた会社には、共通点がありました。
それは、上の人がこういうキーワードをよく連発してた事です。
もちろんリスクを話して解ってくれる人もいました、でも聞く耳を持たない人の方が多かった気がします。
よろしければ、こちらも身を守る為の判断材料にしてください!
デスマーチのネタはまだまだ続きますよ!
第三話お楽しみに!