今回はセールスエンジニアについての話です!
今回は、エンジニアシリーズの第2弾として【セールスエンジニア】について取り上げてみたいと思います。
別記事で、システムエンジニアについて書かせていただいた記事もあります!
ちなみに私、セールスエンジニアの経験がありますので、実体験も加味した形でお話させていただければと思います!
セールスエンジニアって何?
一般的には営業・技術の経験やスキルを駆使して、自社製品の提案・導入・導入後までを支援する役割と言われています。
一番重要なポイントは、相手の目線を意識したコミュニケーションが取れる事です。
相手がシステムに関係ない人の場合は、理解しやすい表現を使って話せるセールスのスキル。
逆に相手が現役バリバリのエンジニアでも、言ってる事をちゃんと理解し、こちらの意見を伝えられる、エンジニアとしてのスキルの両方が必要となります。
と・・ここまでが、どこにでもよく書いてある話。実際はどんな感じなのでしょう?
セールスエンジニアに必要な考え方
自分が実際にやってみて、要求されてきたスキルや考え方をまとめてみました!
エンジニアとセールスの両方の視点を活かせる事
セールスエンジニアの特徴として、こちらがよく書かれていますが、これは必須です。
セールスとエンジニアの2つの視点を活かすとはどのような事でしょう?
私は行きつくところ、お客様の要件を【具体化】する事だと思っています。
横文字でボヤかして、メリットを並べ、ごり押しすれば購入につながるでしょうか?
すべてを「出来る」と言えば、何の疑いもなく購入してくれるのでしょうか?
安いものは、安いなりにある程度機能が限定されています。
逆に、多機能のものは、要件に対して「できる」と言える事は多いです。
しかし、機能が多い事で、難易度が高い製品になっている可能性があります。
恐らくお客様の要件を100%満たせるような、製品やサービスは存在しないです。
利用者側も、サービスに合わせて運用ルールの変更を検討しなければいけません。
新しい物を導入するとはそういう事です。
こういった事をちゃんと理解をされている方が、最近は多いと感じます。
そのせいでしょうか、最近は「他社製品との比較表を出してほしい」なんて言う方も少くなってる傾向があります。
比較表だと、都合よく自社の長所だけを中心に書けば、よく見せれる事はもうバレバレなのでしょう。
この話を踏まえて重要なポイントを、もう少しかみ砕いて書きますと
・うちが利用したらどんなイメージなのか?
・利用すると、どんなメリットが生まれるのか?
このイメージがお客様側でクリアになると、具体的なイメージが沸き利用を検討するフェーズに入れるようになります。
利用イメージが不透明なままでは、いくら良い事を聞いても、何を持ってそれを信用して良いかが解りません。
このように、システム的な知見も交え【具体化】して提案する事が、セールスエンジニアの攻め方であるといえます。
導入後の話もちゃんと意識した提案ができる事
当然の事ですが「出来ない事を」濁して「出来る」みたいな言い方をしてはいけません
「やろうと思えばできる」を「できる」の一言でかたずけるのもダメです。
運用開始後のリスクもその回避策も、可能な限り先に正直に伝えます。
ネガティブな話でも正直ベースで話して、逆に信頼を得るのもセールスエンジニアの攻め方です。
私は「おかしな方向にすすんで、炎上になる事を防げるのは、今ここでは自分しかいない」くらいの意識を持ってやっています。
同調圧力や空気に飲まれない心
お客様と営業担当が、色々な夢を語って笑顔で盛り上がっているとき、いっしょに笑って盛り上がりたいところです。
でも、こんなときこそ何かを見落としやすいと思っています。
なので、その隙に本当にこれでいけるか?何か問題はないか?を再度振り返って考えます。
出来ないけど「出来る」と言ってくれたら、とりあえず話が進むから「出来る」って言ってもらえます?みたいな空気になる事も多いです。
こんな時も、空気に飲まれず、冷静な回答をしなければいけません。これが「エンジニア」としての考え方です。
しかし「出来ない」というだけでは話が進まないので、代替案を可能な限り、提案しましょう。これは「セールス」としての考え方です。
どうしてもその場で思いつかなかったら、持ち帰りとさせていただき、調べるのもありです。
ドキュメントスキル
これもかなり重要なポイントで、提案の初期段階ではあらゆる事が不透明です。
関係者とどれだけ脳内同期が出来ているかが、商談の成功に大きく影響します。
初回は空中戦(会話だけで進める事)だけでは全員が会話についていけません。
この様なときに重要なのが、視覚化です。コツとしては、絵を複雑にしたり1ページの中に情報をたくさん盛り込みすぎない事です。
もちろん、作るのは提案資料だけではありません。お客様と一緒に検証した結果を資料化したり、運用マニュアルを作る事もあります。
その他にも、仕様書、テストシナリオなどあらゆるドキュメントを作って提出する可能性があります。
どのドキュメントも、第一版は美しさや、情報の多さよりも「イメージがちゃんと伝わる」事に重点を置きましょう。
内容もできる限り、最小限に絞り込みましょう。多すぎると相手が疲れて興味を失います。
〇〇について載ってないよ?という人がいても、ぶっちゃっけその辺は好みの話なんで、第二版で追加すればいいだけです。
新しい技術のキャッチアップ
提案するときの引き出しを増やしたり、顧客と会話ができる様に、情報のキャッチアップをし続けるのも重要です。
もちろんメディアを使って調べるのも有効な手段です。
しかし、メディアで簡単に手に入るような情報は、誰でも知っている情報なので、何かの参考にするには、ちょっと遅いかもしれません。
また、メディアの内容は、基本良い事しか書いてないので、リアリティに欠けます。
なのでできるだけ、リアルな情報を探す工夫をしましょう。
例えば、
・海外のサイトから日本にない情報をチェック
・最前線のチャンレンジャー達と情報交換をする
・面白いインフルエンサーをフォローする
などなど、色々な方法があります。何らかの形で人の繋がりがあると、たくさんの情報が入ってくるので、これも有効です。
セールスエンジニアは現場のエンジニアと比べると、情報がなかなか入ってこないです。
なので、この辺は自分からどんどん調べていかないと、付いていけなくなりますので、頑張りどこです!
セールスエンジニア像いろいろ
これからセールスエンジニアを目指したい人は、会社によって求める像が異なるので、この辺は、面接でちゃんと確認する事をお勧めします。
例えば
・エヴァンジェリスト的な役割
→先進的な技術を広める事に特化
・提案~PMまでを行う役割
→プロジェクトに特化
・プリセールス的な役割
→導入前までの提案や設計に特化
・サポート的な役割
→社内・社外全体の技術支援に特化
・営業とエンジニアの仕事を1人で兼務
→単なる1人2役
自分が知ってるだけでも、こんなにあります。
単純な1人2役は、会社の立ち上げ時などでよくある話で、年収も高かったり、裁量権もあったりします。
しかしこのパターンではなく、単純に工数の見積もりが甘く、根性論オンリーな会社の可能性もあるので、この辺はしっかり見極めましょう。
最後に
林先生がなんかの番組で、歴史上で負けた人物には共通点があると言ってました。
それは【情報不足・慢心・思い込み】だそうです。
私は林先生のファンではないですが、これはとても共感できると思いました。
私が言いたいのは、歴史とか壮大な話じゃないです。
自分もしくは他人を振り返って思い出してみると、これが失敗の火種になっていると思われる事に、すごく心当たりがあります。
そしてこれは、プロジェクトや組織にも言える事です。
例えば・・
・プロジェクトを始めてみたが、情報が少ないまま進んだ事による手詰まり
・思い込みが原因で、意見が信用できず進む方向を大きく間違えてしまうトラブル
・慢心により、相談ではなく相手を屈服させる事が目的になってしまっているリーダー
・自分の知見や技術に慢心して、周囲の人間を下に見ているエンジニア
セールスエンジニアももちろん気を付けるべきです。
でも、更にもう1ステップ踏み込んで、商談に発生している【情報不足・慢心・思い込み】を冷静に発見できるようにしましょう!
プロジェクトや商談で、この3つにピンと来たら、セールスエンジニアのあなたの出番は
いまでしょ!