今回はSESで体験した炎上プロジェクトのお話です!
2022年は「炎上プロジェクト」という検索ワードで、うちにたどり着いた人が多いようでしたので、今回このテーマをチョイスさせていただきました。
この経験をしたのは、まだ私が若くてSESの駆け出しエンジニアだった頃の話なんで、はるか昔のお話。
失敗事例って参考になる事多いですし、不幸話を蜜の味として楽しむのも、私は悪くないと思うので・・
ぜひ読んでみてください!
出向先と担当業務
私は最初、SESでインフラエンジニアなどをしておりました。
そんな私が、ある日任命された出向先は、結構有名な金融系企業が自前で持っているデータセンター。
いろいろ細かい仕事はありましたが、メインはActiveDirectoryという認証基盤の管理者。
ざっくり言うと、ユーザーの登録や、ファイルサーバーのアクセス権の管理がメインと思っていただければ。
ユーザー管理という業務はそれほど難しい仕事ではないのですが、対象ユーザーは3000人もいる上、作業証跡(エビデンス)の残し方が複雑で、担当も私1人だけだったので、作業量が多く結構大変だったのです。
配属されたとき、私が任命されたポジションは、短期間でちょいちょい人が変わっている事を聞きました(たぶん倒れた)
しかし、そのとき私は、この理由について、あまり気にしていませんでした。
先に言ってしまうと、私も同じ運命をたどる事になり、後でその理由を知ることになるんですけどね。
出向先でまず言われた事
配属が決まり出向して、まずチームリーダーに言われた事。
このチームは誰かに聞くことは許されない!すべては自分で解決するのがルールだ!手順書はすべてある!
私は「は、はい・・あ、そうなんすか」と言いながら内心こんな感じだった事を覚えています。
まずここを振り返ってみます
この状況を経験を積んだ今の思考で振り返ってみると・・。
いわゆるググレカスみたいな話だったり、考える力を養うみたいな教育方針だったと思うんですが、この話をリーダーをはじめチーム全体で、誤った認識をしていたのではないかと思うんです。
確かに何も覚えず考えず、言われた事だけをやる・・みたいな思考停止がよくないのは解ります。
かと言ってコミュニケーションを遮断してしまっては、上司と部下の間に認識齟齬や情報不足が生まれ、色々間違った認識で、進んでしまう事が想定されます。
なので、リーダーやチーム間でもっと定期的にディスカッションをすべきだったのかもしれません。
こういうカルチャーだと、気軽に雑談もできなくなるので、チーム間でのコミュニケーションが悪くなります。
次のコミュニケーション施策
しかし、この状況は、さらに上の上司に指摘されていたようでした。
方法を考えろと言われたらしく、つぎの新しいルールが生まれたんです。
それはなんと・・
昼食はチームみんなでいくこと!
からの・・
これが大事なのは解るんだけど、強制することなの!?・・って今では思います。
案の定成果は出なかったのですが、振り返ると、こんな風に無理やりコミュニケーションをとらせるんじゃなくて、要は相談しずらい環境を、まず何とかすべきだったと思います。
やるべきは、お題を決めて、ブレストに近いディスカッションを、定期的に実施することだったのではないでしょうか。要は自由な意見交換ができる場が必要だったわけですから。
問題の対策は、根本的な部分を把握した上で考えないと効果はでないんです。
この経験が、今では構造で考える重要さを知った、良い教訓となっています。
※ちなみに構造化について説明してる過去の記事はこちらです!
https://yossy.tech/2020/08/09/structured1/
ある日こんな事が起きた
おかしな事も多かったですが、なんとか付き合いつつ、地道に過ごしていましたが、ある日を境に地獄が始まるのです。
それは大規模な人事異動!
期が変わる際に、毎回大規模な人事異動があるのですが、私はこれを知りませんでした。
3000人が大規模な人事異動をすると、ユーザー情報や、アクセス権はどうなるでしょう?
部署名が変わったりほぼ全員が対象となるので、3000人分、アクセス権の修正とユーザーの登録が必要になってしまうんです。
要は、ある日突然、毎日終電帰りになるくらいの業務が降ってきた・・と思っていただければ。
しかも自宅から遠い出向先に配属されていたため、通勤時間は1時間半。終電まで毎日仕事していると睡眠時間もどんどん少なくなってきます。
朝3:00までやって、近所のホテルへ泊まった事もありました。
この体験で解った事は、睡眠時間が確保できていないと、本当にミスが増えてくるんです。
アクセス権をミスると何が起きるかといいますと、見えてはいけない部門にファイルが見えてしまうので、それはもう事故なんです。
そうなれば出向先の会社は大騒ぎ、さらに金融系ですから・・。なんかあればニュースになるくらいのリスクがあります。
というわけで・・
ここで炎上が確定します!そして戦犯として認識された私ww
当然リーダーに詰められます、ミスった理由を聞かれたので、業務量が多い話などの理由を相談するが「それは言い訳にならない!」など否定ばかりで、相談になりません。
否定の怖いポイントは、毎日否定され続けると、何が正解かよくわからなくなってくる事。
これが続くと最後には何も言えなくなるんですよね。そして言葉を失うと、今度は「何か言ったらどうなんだ!」みたいなセリフが飛んでくる。
こんな不毛なやり取りをずっと繰り返し、時はどんどん流れていきました・・。
これ結果、どう着地したかといいますと、出向先に優秀な方がいて、その方が助けてくれたおかげで、完了は大幅に遅れたけど、何とか終わらせる事ができました。
もちろんリーダーも含め、自分のチームで助けてくれる人はいませんでした。こうなってしまった私には、もう関わりたくないみたいな状況でしたね・・。
私はこのプロジェクトで睡眠時間を削り、否定による強いストレスを受け続けてたせいで、体調を崩してしまいます。
そして、ドクターストップがかかり、この出向先から外れる事になりました(めでたく)
このポジションの担当者がコロコロ変わっていたのはこのせいか・・とここでやっと気づきます。
ちなみに、SESって他の会社へ出向して、人材のレンタル代で稼ぐビジネスなので、出向先から外されたという理由で、めちゃめちゃ評価さげられました。
何が必要だったか?
ここで全体を通して、今の経験値を持った状態で振り返ってみます。
まず大きな作業が発生する事が予測できていなかった事。そして誰も業務量に対して工数を考えずにエイヤーで開始してしまった事。
この件についても、コミュニケーション不足が問題だったと思います。
定期的にディスカッションを行い、情報交換してお互いに共通認識を持つことができていれば、大量の人事異動が発生する話も事前にキャッチする事ができたし、作業量が膨大である事をリーダーに共有できたかもしれません。
作業量が膨大になっている事が明確であれば、優先度を考慮して、計画書を作るという手もありました。
※内容は、〇月〇日~〇月〇日はこの部署の作業を実施 > その後部門で確認を行ってもらうみたいな、スケジュールなど。
このような大枠を記載した資料を作り、共通認識が取れれば毎日終電までやる必要はなくて、日程や時間の交渉なんか普通に可能だったと思います。
睡眠不足と否定マウントに注意
この実体験で知った事は、否定をされ続ける事+睡眠不足が重なると、思考が正常じゃなくなってくる事。
こうした方が良い・・など意見の交換があればよいのですが、言った事すべてに対して「No」だけを突き付けてしまうやり方は、ただの否定です。
ちなみに相手を否定し続ける方法は、相手からマウントを取るための手段として、自分が若い頃は普通に使われていました。
人は否定をされ続けると、だんだん自分は間違った人間だ・・みたいに思えてしまい、正しい判断力を失います。
この方法を悪用すると、相手は判断力を失っているので、心理的に優位に立つ事が出来るんです。
この会社を辞めたあとにも、このような否定マウントを使う人は結構いましたので、もしかしたら、今でもこんな人に当たってしまう可能性はあるかもしれません。
この方法で、うまく自分を演出して、偉くなってるぽい人も見たことあります。
俯瞰で考える事を忘れないで!
結局、どんな意見もメリット・デメリットはあるので、否定する事も、肯定する事も簡単なんです。
判断力を正しくキープするために大事なのは、俯瞰で自分をみて、他人の視点で考える事!
普通こうだよな?みたいな、自分目線の思い込みを捨て、自分が悪いとか、上司が悪いとか、人に善悪を付けない事がコツ。
俯瞰で見れば、退職して、このような人から遠ざかる判断や、会社のパワハラ制度をうまく利用して、解決する方法が見つかるかもしれません。
なのでまずは・・
自分の判断力をキープできるようにしておこう!
最後に
今回は2022年の検索ワードを振り返って、炎上案件の実話をテーマにしてみましたが、いかがでしたでしょうか。
成功事例って丸パクりしても、同じように成功しませんけど、失敗事例の対策は、丸パクりが有効なんですよね。
ん?・・これ書いててふと思ったんですけど、実は世の中に「成功」なんてないのではないでしょうか?
もしかして、失敗をひたすら潰し続けてたら、いつのまにか「成功」と呼ばれていただけだったりして。。
今、突然思いついた言葉だけど、なんだかすごくいい事言ってる気がしてきたぞ!
こんな感じで自分の言葉に酔う事も・・
言語化の一つかもしれないね!