クラウド時代に語るオンプレのリアルな話

今回はオンプレミスのお話です!


 

最初の頃、クラウドの記事を書いたんですけど、そういえばまだオンプレミスの事を書いてなかったな・・って事に最近気付きました。

 

クラウドの反対語として定義されている「オンプレミス」ですが、用語の意味だけなら既にご存じの方も多いかもしれません。

 

オンプレミスは時代遅れ・・なんてイメージがありますけど、本当にそうなんでしょうか?

 

今回は、この辺実際どうなのかお話します!


 

オンプレミスとは?

 

最初にオンプレミスについて説明をしておきます。まず、オンプレミスを英語で書くと。

 

on-premises

 

略すと「構内」という意味で「会社内」もしくは「データセンター」を借りて、サーバなどシステムの設備を自前で持つ事を指します。

 


 

この言葉はクラウドが主流になってきたころ、反対語として使われるようになりました。

 

通称:オンプレ!

 

オンプレミスとクラウド

 

オンプレミスとクラウドは絵にするとこんな違いがあります。

 


 

設備を自前で持つオンプレミスに対して、クラウドはサービス事業者が提供する設備をインターネット経由で借りるイメージとなります。

 

例えると、戸建てのマイホーム(オンプレミス)と賃貸マンション(クラウド)に近いイメージです。

 

オンプレのデメリット

 

オンプレミスの場合、サーバー・ネットワーク機器など自前で調達が必要です。

 

さらに設置する場所を用意し、設計・設置して導入するエンジニアを用意し、保守も自力でやらなければいけません。

 

オンプレで作ろうとした場合、イニシャルコストや運用コストはかなりの額が予想されます。


機器なども発注してからすぐには届かないので、構築にもかなり時間がかかるでしょう。

 

しかし、クラウドの場合、用意された完成品を借りるだけですみます。

 

クラウドは、初期コストを抑え、導入の時間を短縮し、機器の保守もクラウド事業者へ丸投げできるので、オンプレのデメリットをうまくカバーしていると言えます。


 

それでもオンプレを使う理由は?

 

ここまで読むと、クラウド使った方が楽じゃん・・て思いません?

 

確かに規模の小さい企業や、これから起業するならクラウドを利用する方が向いていると思います。

 

しかし、一番大変なのは、すでに昔からオンプレで運用している企業がクラウドにしたいと思った場合で、これを実現するのは・・

 

すごく勇気のいる事なんです!


 

クラウド環境へ移行するリスク

 

中でも一番のリスクはオンプレからクラウドへの移行です。

 

オンプレの場合、ハードウェアが古かったり、ソフトウェアのバージョンも低かったり、ひどい場合はOSも古かったりします。

 

逆にクラウド上では、比較的新しめなハードウェア・ソフトウェアが使われています。

 

つまり、使われてる環境も、作られた当時に使われていた技術も、オンプレとクラウドでは大きく異なっているケースが多いのです!


ここで想像してみましょう!

 

世代も考え方も違う想定で作られた、異なる環境にシステムをそのまま移行するとどうなるでしょう?

 

システムがまともに動かない可能性が大!


・・なんて事が容易に想像できるんです。

 

そして、次はこれをやってくれるSIerを探そうなんて事を考え始めます。

 

※SIer = システムインテグレーター = オリジナルのシステム導入を生業とした請負業者

 

でも、SIerに依頼したらものすごく高かったとか移行はするが動作保障はしないと言われたとか、安く請け負ってもらえるとこをやっと見つけたが、大失敗して炎上案件になった。

 

・・などのように、うまくいかないケースも多々あるんです。


「どこかのSIerに丸投げして頼めばいいや」と楽観視していた企業が、失敗して大トラブルに発展したケースは本当によく見ました。

 

本気でやるなら、依頼元の人達もリスクに共闘する覚悟を持つ必要があります。

 

状況によっては一部のデータを「断捨離」するくらいの覚悟で進める。

 

1つ1つシステムのテストケースを分割し、気が遠くなるくらい、長い時間をかけてでも進める。

 

やるならこれくらいの覚悟が必要になるのです。


 

ちなみに1つバラしてしまうと、SIerが見積りでかなりの高値を付けて来た場合、リスクが大きく断りたい案件だったりします。

 

想像してみてください。自分が担当や上の人だったら、こんな危険なプロジェクトをすすめたいと思うでしょうか。

 

周りを説得してまでやる事に思えるでしょうか。

 

こうなってくると結局「じゃあ今のままでいいや」になり「引き続きオンプレで!」になる訳です。


 

オリジナル要素が多いと・・

 

クラウドサービスは、同じ仕様ですべてのユーザーに利用してもらうのが基本です。

 

従ってクラウドは、サービスの仕様に合わせた運用を考えてもらう事が前提となります。

 

「うちの業務はこうだからこうしてほしい」と言われても仕様を変える事はできません。


 

そうなると、コストはかかりますが、オンプレミスでオリジナルのシステムを作るしかないのです。

 

残念ながら、特殊な業務だったり、業務フローが細かすぎるシステムにクラウドは不向きなのが現状です。

 

他には、こういう事が起きてクラウド化に失敗するケースも・・

 


 

セキュリティが信頼できない

 

例えば、A社がクラウド事業者のサーバーを借りて、システムを運用していたとします。

 

ある日、クラウド事業者のセキュリティに脆弱性が見つかり、それが原因でA社の情報が漏洩したとします。

 

状況にもよりますが、こんな場合でもクラウド事業者ではなく、だいたいA社の責任になるんです。


クラウドサービスはインターネット上にいるので、実は不特定多数の攻撃を常に受け続けています。

 

なので、いつセキュリティを突破されてもおかしくありません。

 

世界最強のGoolgeやAWSが提供するようなサービスでも、トラブルはちょいちょい起きています。

 

こういったリスクを回避するためには、自分の身は自分で守るしか選択肢がないのです。


 

なので、クラウド全盛期の今でも、インターネットに繋げないローカル環境だけでシステムを運用するケースはまだまだ多いのです。

 

※ローカル環境についてご存じない方はこちらを読んでみて下さい!

今更聞けない「Local Area Network」を簡単に解説!


コスト面ってどうなの?

 

これはもうシンプルな話で、クラウドサービスは従量課金&月額で、解約するまで永遠にお金を払い続けます。

 

なので、長期に渡って使い続ければ、単純にどこかでオンプレよりもクラウドの方が高くなるイメージです。

 

これも持ち家の一戸建と、賃貸マンションのイメージに近いかもしれませんね。


 

最後に

 

クラウドとオンプレはどっちか良いとか、時代遅れとか特にないです。

 

どちらか1つを選ぶのではなく、テスト環境みたいなクラウドやれるとこはクラウドにする。

 

機密情報がある場所はオンプレミスで管理する。

 

このように用途に合わせて賢く設計をして使い分けをするのが、一番良いと言われてるのです!


 

実はこの記事続編も出ています!

 

良かったらこちらもどうぞ!

どんなときにオンプレミスを選択するのか?こんな疑問を解説します!


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