今回はネットワークの小話です!
いまどきは、スマホ文化やクラウド化の影響もあり、わざわざネットワーク設定をする機会ってあんまりないですよね。
でも・・仕事でネットワーク系の話が何かしら出てくる事って、意外とあったりします。
という訳で今日は・・
覚えておくと、どこかで役に立つかもしれないネットワークのお話をしようと思います!
IPアドレスの有名な表現方法
まず初めにですが【IPアドレスは住所のようなもの】こんな感じで覚えている方、多いと思います。
IPは同じ番号を割り当てる事ができないので、とても的確な表現だと思います!
では、住所で考えたとき、こういうケースは一体どういう考え方になるでしょう?
アクセス制限をIPでかける?
例えばIPで【アクセス制限】をかけられるクラウド上のプロダクトがあったとします。
(つまりインターネット経由)
イメージとしは、アクセスしてきた人のIPを自動で判別して、許可されている人だけを利用可能にする機能です。
この機能は例えば、社員の自宅からのアクセスを不可にして、会社からだけアクセス可能にしたいときに、よく使われます。
自分のIPを伝えたらこんな事言われた・・
では、ここからはストーリーでイメージしてみましょう。
別なオフィスからもプロダクトへ接続できるようにしたいので、貴方は管理者に「IPを許可して下さい!」と依頼をかけました。
そしたらこんな事を言われました。
・・って感じの経験をされた方、結構いらっしゃると聞きました。
果たして何が間違っていたのか?順を追って説明していきます!
ローカルって何ですか?
ローカルってそもそも何でしょうか?解りやすく考える為に身近なもので考えてみましょう。
例として、家庭用のルーターを使って、PCからインターネットにつなぐ場合をイメージしてみましょう。
家のPCからインターネットに接続するときって、ざっくりこんな感じになると思います。
家のPCからインターネットの世界へ行くとき【ルーター】を経由するのは、何となくご存じの方も多いと思います。
そもそもローカルIPの【ローカル】とはどの部分を指すのでしょう?
これは絵で考えると簡単で【ローカル】とは・・
ズバリこの赤枠の中を指します!
例えば父のPCから、母のPCへ画像をファイルを送るとき、わざわざインターネットを経由しなくてもいいですよね。
こんな風に、インターネットを使わずに繋がっている、内輪のネットワーク環境を【ローカルエリアネットワーク】と言います。
これを英語にして頭文字を取ると・・
Local Area Network = (LAN)になる訳です。
ちなみに、インターネットエリアが「外」ローカルエリアが「内」という考え方から【閉じたネットワーク】と表現する場合もあります。
ここまでいかがでしょう?ローカルが何を指しているか、ご理解いただけましたでしょうか?
ローカルについてご理解できましたら、次のIPの話に進みましょう!
では本題のローカルIPとは?
ローカルで繋がれたネットワークと、インターネットで繋がれたネットワークの2種類がある事はイメージできましたでしょうか。
ここの理解が、実は一番重要なポイントです!
実は、IPアドレスって【ローカルで使う用のIP】と【インターネットで使う用のIP】の2種類がありまして
このローカルで使う用のIPが【ローカルIP】なんです!
実は、以下の範囲内ならローカルでのみ自由に使える事が、ネットワークのルールとして決められています。
クラスA : 10.0.0.0 ~ 10.255.255.255
クラスB : 172.16.0.0 ~ 172.31.255.255
クラスC : 192.168.0.0 ~ 192.168.255.255
クラスとか書いてますが、まずは気にしないでOK。
基本どれ使ってもOKですが、大きな規模でなければ、クラスCの範囲を使う事が多いです。
例えばクラスCだったら、こんな感じで開始点が0になってる部分は自由に変える事が可能で、最大値として255まで設定できます。
例:192.168.0.0 ~ 192.168.255.255の場合
192.168.1.1 とか 192.168.0.10とか。
一番簡単な使い方は、こんな感じで末尾だけを変えてIPを採番していく方法。
192.168.0.1、192.168.0.2、192.168.0.3
※192.168.0.1 ←赤字のゼロになってる部分は変更可能ですが、「セグメント」という知識が必要なので、いったん今回は0を変更しない前提で考えて下さい。
絵で説明するとこんなイメージです。絵で見た方が解りやすいと思います。
この図は、192.168.0.1~192.168.0.4をローカルエリアで使っています。
この様に各PCにローカルIPを割り当てる事で、ローカル内であれば通信ができるようになります。
ローカルIPなんて設定した覚えないよ?
では、PCやスマホに何も設定した覚えがないのに、ローカルIPが設定されているのはなぜでしょう?
IPは固定にする事もできますが、デフォルトは自動でもらう設定になっている事が多いんです。
では、誰がローカルのIPを発行してくれるかといいますと・・
ルーター君がこんな感じで発行してくれてるんです!(サーバが配布する場合もあります)
自分のPCのIPを見てみよう!
自分のPCで手を動かしてIPを調べてみると理解が深ります。
一応調べ方を書いておきます。この項目は、興味・時間のある方のみやってみて下さい。
①Windowsマークと「R」を押して下さい。以下が表示されたら「cmd」と入れます。
②コマンドプロンプト(黒い画面)が出たらipconfig /all
と入力します。
③コマンドの結果をみてみましょう
ipv4 アドレスと書かれているのが、貴方のPCに割り当てられたローカルのIPアドレスです。
そして、DHCPサーバと書かれているのがIPを配布してくれてる、機器のアドレスになります。
この情報みると「192.168.0.1」と表示されていますよね。これはうちのルーターのIPなんで「ルータからIPをもらってます」って事がこの情報から解る訳です。
ではインターネットへ行くには?
ここで話は変わりますが、今度はどうやってインターネットの世界にいってるか?なんですけど。
ローカルIPに対して、インターネットで使う為のIPを【グローバルIP】と言います。
まず、これを覚えておきましょう。
インターネットへは、プロバイダーからもらった【グローバルIP】を使わないと、アクセスできないので、これをルーターがコントロールしています。
つまり、ローカルへの接続は【ローカルIP】を利用、インターネットへの接続は【グローバルIP】を利用する様に、ルーターが橋渡し役となり、コントロールしてくれてるのです。
ここにアクセスしてみると、自分のグローバルIPが見えます。上記の図をイメージしてみながら情報を確認してみてください。
結局何が間違っていたのか?
ここまでの説明をもとに、この管理者が何を言ってたのか、再度考えてみましょう。
※管理者が言っていた事
解りましたか?答えはこうです。
管理者は【ローカルIP】と言ってるので、申請者は以下の範囲に該当するIPを申請していたと考えられます。
クラスA : 10.0.0.0 ~ 10.255.255.255
クラスB : 172.16.0.0 ~ 172.31.255.255
クラスC : 192.168.0.0 ~ 192.168.255.255
ローカルのIPではインターネットの世界と通信ができません。
従って、プロダクトにアクセスしてくるのはグローバルIPになるので、こちらをお知らせしなければいけなかったんです。
間違っていたポイントを今回の図で表すとこんなイメージになります!
インターネット上で使われてるグローバルIPとローカルIPの範囲を見比べてみましょう
「113.154.120.11」はローカルでしょうか?グローバルでしょうか?
このIPは以下の範囲にはありませんので「グローバルIP」になります。ローカルIPの範囲に該当しないIPはすべて「グローバルIP」と考えていただいてOKです。
クラスA : 10.0.0.0 ~ 10.255.255.255
クラスB : 172.16.0.0 ~ 172.31.255.255
クラスC : 192.168.0.0 ~ 192.168.255.255
ローカルIPではインターネットの世界にいけません。
従って、インターネット経由でアクセスするプロダクトは、グローバルIPからのアクセスしかないと考えらます。
従ってアクセス制限に「ローカルIP」で申請がくるのは、間違いである可能性が高いという事になります。
最後に
最近、Google Analytics先生でうちのサイトを解析してみたのですが、以下のカテゴリの記事が、結構読まれているみたいなんですね。
- ITの基礎的な話
- 炎上系
- ミルクボーイネタ
- 簡単なフレームワーク
ある意味想定通りですが、解析結果を見ると、AIの話とかブロックチェーンみたいな話は、うちに来る人はあんまり関心がなさそうに見えました。
こう考えると、IotとかDXとかイケイケなトレンドネタも時には書きたいときがありますが・・
うちの場合、そういう話より・・
- 解りやすい!
- 現実的!
- 堅実!
- 面白い!
うちには、こういのが求められている気がしたので、今回はネットワーク系の話にも手をだしてみました。
どうですか?内容は伝わりましたでしょうか?
今回この記事を書いた事で、数字が出てくる話(IPアドレス)って、楽しくシンプルに話すのがすごく難しいという事に気付きました!
IPの数字が出て来たら「そっ閉じ」みたいな気持ちも思い出しました!
これからも、こんなノリで明日からすぐに使えて・誰もが理解できる、独自の解説方法をまったり追求していきたいと思います!
引き続きよっしーTECHのご愛読よろしくおねがいします!