「IT業界で使いそうな言葉その5」です!
今回もやってまいりました。おかげさまでこのシリーズ第5弾でございます。
今回は用語というより、よく出てくるスラングみたいな表現方法をチョイスしてみました!
では今回もいつものノリで!
あちらを立てればこちらが立たず
色々なケースがあるんですが、一番出てくるのは「セキュリティ」と「利便性」システムやサービスにも相反するものが存在するんです。
では、ログインのときによく出てくる、これ(reCAPTCHA)を例としてお話しします。
↓これはreCAPTCHAっていうんだぞ!知らない人は覚えておこう!
いつも利用しているサイトに、これが出てくると、めっちゃうざくないですか?
これが原因で「めんどいから別なとこ見よう」って人が増えると、利用者が減ってしまいそうで心配ですよね。
でも、これが導入されてると、セキュリティレベルはめっちゃ向上するんです。
この「reCAPTHA」の様に、セキュリティレベルをあげると、利便性が低下するものがシステムには結構あるんです。
もちろん利便性を重視して、セキュリティが低くなるという逆のパターンもあります。
システムには、この様に相反する検討事項が多々あるので、何を重視するか検討の上、方針を決める必要があります。
これは、いわゆるトレードオフみたいな話なんで、いまどきはこういう話の調整役が求められています。
※例えばこんな感じですね
マーケ目線:reCAPTCHAなんか入れたらサイトの利用者数減るでしょうが!
セキュリティ担当目線:事故ってからじゃ遅いんだよ!最初から入れておくべきだ!
「あちらを立てればこちらがたたず」キタワァァァァ
運用でカバー
これは、ユーザーが想定している運用イメージと、システムの仕様が合わなかった場合の最後の手段。
どうしてもシステムの仕様変更ができない場合は、利用方法を工夫(運用でカバー)するしかありません。
特にクラウドサービスの場合は、どの利用者にも、同じ仕様で使ってもらうのが基本です。
その為、クラウドサービスの仕様に運用を合わせるというのが前提となっています。
そのせいか昨今では、昔以上に「運用でカバー」が主流になってますので、もはや最後の手段じゃないかもしれません。
※運用でカバーする日常
妻:洗濯機の調子が悪いから新しいの買って欲しい!
夫:運用でカバーしよう
エイヤー
「エイ!ヤー!」という掛け声の様に、勢いに任せて即決して進める事です。
経験上、エイヤーは「良いエイヤー」と「やばいエイヤー」の2種類があります。
例えば、スピード感を重視して先に「エイヤー」でリリースして、その後バージョンアップで計画的に調整をしていくのは「良いエイヤー」です。
「やばいエイヤー」の例としては、何も決まっておらず、何も準備ができていない状態なのに、無条件に「とにかく早くリリースしろ!」と勢いで「エイヤー」が実行されてしまう事です。
これを行うと多くの関係者を疲弊させ、リリースを遅らせてしまうリスクをより加速させます。
エイヤーからのデスマーチ
更に「人を増やすから人数分リリース日早めてくれる?」みたいな話になったら危険信号です。
特に開発は単純作業ではありませんので、増員したからと言ってすぐにスピードをあげるのは無理で、むしろ逆効果です。
どんな優秀な人を雇っても、現場の状況の把握や、引継ぎの時間が必要です。
つまり入社したその日から戦力になれる訳ないんです(最低でも2~3か月は見る必要があります)
結果、現場はOJTという業務が増える事になり、担当者は労働時間がどんどん増えて、体調不良を起こし倒れます。
一昔前は、技術経験どころか、業界すら未経験な人が即戦力としてむちゃ振りでアサインされる事があったぞ!
夫:エイヤーでフェラーリ買ってきたよ!
妻:とりあえず離婚しましょう
決めの問題
方針が複数あるけど、どれを選んでも問題がないときに使います。言うときは以下の様にビシっといいましょう。
ここの仕様は決めの問題だから、この仕様は〇〇〇でいくからな!異論は認めん!
「決めの問題」に分類される事項は、ぶっちゃけ議論する必要もないものを指します。
従ってこういうのは、その場で判断しガンガン決めていく事で、プロジェクトのスピードアップにつながります!
※決めの問題なカップル
彼女:ねぇねぇカニチャーハンと五目炒飯どっちがいいかなぁ?
彼氏:それは決めの問題だ!
サイレント修正
通常システムやサービスのアップデートをした場合、何らかの形でユーザーに通知を行いますが、通知もせず、こっそり修正する事をいいます。
特にネットゲーム業界は、突然ボスが強くなった等々、よく疑いをかけられます。
実際サイレント修正を行うベンダーが本当にいるのかは正直謎です。ん?こんな夜更けに誰か来たようだ・・(キャー)
※ネットゲームでよくあるやつ
ネトゲユーザー:〇〇と〇〇を検証した結果、こうなっていますがアップデート情報に書いていません。これはサイレント修正ではないでしょうか?
ネトゲベンダー:〇〇と〇〇に不具合を発見したので修正しました。
正直ベース
まずは、包み隠さず全てお話して、理解を得ようとするときに使う用語です。
この言葉を私は普段めっちゃ使ってる事に気付きました。これまでの人生で、俺はどんだけ理解を得ようとしてきたのだろうか?は・・さておき。
例えば私の場合こんな感じで伝えてます!
「正直ベースでお話しますと、この部分の仕様はこうなっている為、今回このような事象が発生していたと考えられます」
ここからは自分の経験談ですが、いいにくい事を説明しなきゃいけない場合、変に隠さない方がポイントです。
相手もプロですから、中途半端にごまかそうとすると、見破られてかえって信用を無くしますので注意!
※正直ベースな日常
夫:正直ベースで言うと貯金がもう1万しか残ってない
妻:とりあえず離婚しましょう
人柱
最先端の商品や技術は、当然事例も少なく、何が起きるか解らないというリスクがあるのですが、ありがたい事にそれでもやってくれる企業は数多く存在します。
逆に言えばトラブルと解決を繰り返しながら、どこよりも早くノウハウをためる事で、コンサルティングなどのビジネスにつなげています。
しかしながら、体力がもたず撤退を余儀なくされた企業、目測をあやまって倒産してしまう企業、たくさんあります。
いま皆様が、当たり前の様に利用しているクラウドサービスなんかも、たくさんの犠牲があったことを私は知っています。
最先端の技術で、便利なサービスが日々どんどん生まれていますが、その裏で「人柱」になっている人や企業も多いのです。
ビジネスとして成功した企業は、事例を出すと「この会社すげーとかこの人すげー」になります。
でも成功の背景には、道を開拓して人柱となってしまった人や企業の存在がある事も忘れてはいけません。
なんかすごくいい事言ってる気がするぞ!
0.5 / 0.5
これは、用語というより「あるある」に近いです。
IT業界は、仕事量の目安を「1人/月」という表現でよく表します。
これは1か月に1人いれば賄える仕事量って意味なんですね。
例えば、兼務の場合、「仕事A:0.5人/月」+「仕事B:0.5人/月」=合計1人/月という表現を使います。
ただ、実際やってみると、以下の様な結果になる事が多いんです。
「仕事A:1人/月」+「仕事B:1人/月」合計2人/月となり、仕事が2倍になっただけ
「仕事Aが1人/月」「仕事Bが0人/月」=合計1人/月で収まったが片方しかできなかった
やっぱ2つの仕事を綺麗にぶった斬るのは難しいんですかね?
※これが進化するとワンオペ!?
店長:今日の店番はホール0.5人/日、調理場0.5人/日の兼務で頼むわ
ただのワンオペじゃねーか!
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