バックアップのフル・差分・増分

今回は地味ですがバックアップの話です。バックアップってファイルをどこかに置いておくだけの話では?って方も多いと思います。

 

実はバックアップって、データベースであったり、OS丸ごとレベルであったり等々、バックアップしたい対象によってやり方が多岐にわたります。

 

 

保存データの管理もちゃんとしないといけないので、色々とノウハウが必要なんだよ!

 

 

今回ご説明したいのは、バックアップの基本中の基本ですが、解りにくいと言われている「フルバックアップ」「増分バックアップ」「差分バックアップ」についてご説明させていただきたいと思います。

 

 

聞いた話によると、これ今でもIT系の試験問題にちょこちょこ出てるらしいですよー

 

今回のシナリオ

今回のシナリオは、日曜日から水曜日にかけて以下の様にデータが増えていく環境を、バックアップする想定で考えてみます

※ 以下の図は緑は月曜日に増えたデータ、赤は火曜日に増えたデータ、オレンジは水曜日に増えたデータのイメージです。

フルバックアップとは

まずはフルバックアップについての解説ですが、こちらは読んで字の如く、バックアップ先として指定したフォルダやドライブの中身を全部取る事です。

 

ただ業務時間中フルバックアップを取ると、業務時間中に大きなデータが動く事になるので、インフラ全体に大きな負荷がかかります。

 

負荷がかかると、ファイルサーバーからファイルを開くとき、遅くなったり、酷いときはフリーズしちゃったり等々、PCで仕事をしているユーザーの皆様にすごく支障がでます。

 

その為、会社の定休日にフルバックアップを取る方法が一般的なやり方になります。

 

では、平日のバックアップはどうすれば?と思われるかもしれません。その辺の話は次の項目でお話をさせていただければと思います。

 

という訳で平日は避け、まず日曜日にデータのフルバックアップを行うと仮定します。

平日にバックアップをするには

平日にフルバックアップすると、高負荷が課題になる事をお話しました。

 

この解決策はシンプルです。要は全てのデータを取らなければいいんです。増えた分だけ取ればデータ量は少なくなるので、負荷も少なくなり完了時間も短縮されます!

 

差分や増分に対応しているバックアップツールは、更新されたファイル、追加されたファイルがどれかを自動で判別できるので、増えたデータだけを取る事が可能なんです!

 

そして増えたデータだけをバックアップする方法は二通りあります。

・差分バックアップ

・増分バックアップ

 

差分バックアップとは

では、差分のバックアップについてお話します。差分バックアップとは「フルバックアップから増えた分」を毎回バックアップします。

 

つまり日曜日のフルバックアップの時点で、存在してなかったデータすべてが毎回バックアップされるんです。

 

その為、差分バックアップは、同じデータが何度もバックアップされる特徴があります。

 

例えば、この図にある緑のデータは、既に月曜日にバックアップしてますが、差分バックアップは、毎回フルバックアップ(日曜日)に存在していないデータをバックアップするので、火曜日と水曜日にも緑のデータが再度バックアップされる事になります。

 

増分バックアップとは

続いて増分バックアップのお話です。増分バックアップとは「前回のバックアップから増えた分」だけがバックアップされます

 

例えば下の図を見て下さい。月曜日に増分バックアップを実行した場合、前回のバックアップは日曜になるので「緑のデータ」だけがバックアップされます。

 

更に火曜日に増分バックアップを実行した場合、前回は月曜なので「フルバックアップ+月曜日の増分」時点では存在していなかった「赤のデータ」だけがバックアップされます。

 

差分とは違い、前回のバックアップと比較して増えた分をバックアップするので、毎日実行していれば、バックアップするデータは1日分だけになります。

 

その為、バックアップする1日分のデータ量は、差分バックアップに比べて少ない為、差分バックアップよりも増分バックアップの方が早く完了するのが特徴です。差分との違いを図で比較してみてください

 

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差分と増分からのデータ復元

バックアップだけではなく、差分と増分はリストア(データの復元)をするときも手順が大きく変わってきます。

 

差分バックアップからのリストア

例えば木曜の朝に、ディスクの故障が発生したので「水曜」にバックアップしておいた、全てのデータを復元したいと考えたとします。

 

差分バックアップは、日曜に取った「フルバックアップのデータ」と水曜日に取った「差分バックアップのデータ」が2つあればすべてを戻せます。

 

差分バックアップは、フルバックアップから増えた分を毎回とってますよね。という事は「フルバックアップ」と「水曜の差分バックアップ」だけあればすべてのバックアップデータが揃うんです。

 

この部分は「増分バックアップ」と違いを比較すると理解しやすいと思います。

※必要なデータ

【日曜日のフルバックアップ】

【水曜日にとったバックアップデータ】

 

増分バックアップからのリストア

同様に木曜の朝、ディスクの故障が発生したので「水曜」にバックアップしておいたデータを復元したいと思ったとき、増分バックアップから復元するには何が必要になるでしょう?

 

増分バックアップは前回のバックアップから増えた分をバックアップしています。つまり増えたデータを毎日積み上げてる訳ですよね。

 

ですので1日のバックアップ量は少ないのですが、全てのデータを復元したい場合は、毎日取った、日曜・月曜・火曜・水曜すべてのバックアップデータを用意しなきゃいけなくなるので、差分と比べて復元作業が面倒なのが特徴です

※必要なデータ

【日曜のフルバックアップ】

月曜の増分バックアップ】

【火曜の増分バックアップ】

【水曜の増分バックアップ】

 

フルバックアップ・差分・増分を短くまとめると

最後に、今回の説明を短くまとめると、たったこれだけの話です。以下のまとめだけを覚えるか、この記事を最初から読んで覚えるかは貴方次第です!

フルバックアップ:こちらは読んで字の如く、バックアップ先として指定したフォルダやドライブの中身を全部取る事。業務中に実行すると負荷が発生して大変な事になるかも!?

 

差分バックアップ:バックアップは増分よりも1回あたりのバックアップのサイズが多大きくなるし、完了時間も長くなるが、リストア(復元)は差分の方が楽で早い。

 

増分バックアップ:バックアップは差分よりも1回あたりのサイズも小さくなり、完了時間も短いが、リストア(復元)が細かくなって面倒なので結果的に時間がかかる

 

ちなみに、よく使われているのは増分の方です。理由は、データをすべて復元をするケースはそんなにないと想定してるとこが多いからです。

 

 

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