今回はVRIO分析のお話です!
VRIO分析ってご存じでしょうか?
「分析」みたいなキーワードが入ると、何となく難しい話に思えてしまいますが、実はぜんぜん難しい話じゃないんです。
ご存じない方は、まずはうちのブログを読んでざっくり知っておきましょう!
面白い話ですし、覚えておくとどこかで役に立つかもしれません!
VRIO分析ってそもそも何?
この分析は、自社製品を評価するときなどによく使われます。
そしてVRIO分析の「VRIO」とは以下キーワードの頭文字4つを組み合わせた言葉。
- Value(価値)
- Rareness(希少)
- Imitability(模倣のしやすさ)
- Organization(組織)
この4つの要素を、自社の製品がどこまで持っているかを、自問自答します。
そしてその結果から、自社の製品が市場に対して「強み」を持っているか?またその強みは何か?
これらを分析してクリアにするんです!
自分(自社の製品)を型にはめて自問自答する事で、自分が何者なのかを知り、その情報を参考に戦略の材料にするイメージですね。
どうやって進めればいいの?
では具体的にどうやって進めるか?ざっくり解説していきます。
まず、自社の製品がどうなのか、以下を自問自答してみましょう。
- 経済的な価値があるか?
(Value) - 希少性があるか?
(Rareness) - 簡単に模倣できるか?
(Imitability) - これらを活かせる組織なのか?
(Organization)
表にしてこんな感じで分析します
注意点として、VRIO分析は〇の数がいくつ付くか?ではありません。
例えば希少性が高くても、経済的な価値がなければ「競合劣位」という結果となります。
次は判断基準となる項目を1つずつ解説します。
経済的な価値はあるか?
要はちゃんと製品が社会的の役に立てるものなのか?影響力はあるのか?・・みたいな話です。
例えば効率化が目的のツールなら、製品の力で多くの顧客がコスト削減を実現していて社会の役に立っている・・など客観的な目線で考えます。
製品を利用しているユーザーがいても、使いこなせてなかったり、やりたい事が実現できていないなら、その製品に価値はありません。
この辺を厳しく客観的に判定する事がVRIO分析の大事なポイントです。
例えば、ここに×が付くようなら、顧客がやりたい事を適正なコストで、ちゃんと実現できるような見直しが必要という事になります。
要は価値がないものは、比較対象の土俵に乗ることもできない・・。
これが「競合劣位」のイメージ!
逆に経済的な価値に〇が付いて、初めて競合と比較対象の土俵に乗れるわけです。
これが「競合均衡」のイメージ!
希少性が高いか?
例えばクラウドサービスなどで、他にはない機能があるサービスは「希少性が高い」と言えます。
希少性が高い=ライバルが少ない = 熾烈な戦いを避けられる=競合よりも有利に進められる。
いわゆる、これが差別化と言われてる戦略で、競合と同じ土俵での戦いを避けて、尖った部分で勝負するイメージですね。
利用者から見たら、希少性のない製品は「値段」しか判断基準がないので、安くするしかない > 価値が下がっていく。
こんな負のスパイラルに陥るかもしれないので「希少性」が重要視されているんです。
ただし機能で差別化をしても、競合に軒並みパクられたら希少性はなくなります。
こうなると、希少性はあるけどいつかその優位性はなくなる可能性があるので・・
「一時的な競合優位」という結果になるのです。
模倣は困難か?活かせる組織なのか?
課題となるのは、希少性があってもパクられたら、希少性は失われる事。
でも模倣が難しい機能だったらどうでしょうか?
希少性を失うリスクがだいぶ低くなりますよね!
なので、希少性があって模倣が難しい製品は、長期に渡って優位性を保てると言われています。
ただし、模倣が難しいだけではダメで、ちゃんと組織が、希少性のある機能を運用できる体制になっていないと、優位性を保つことはできないのです。
一番簡単な例で言うと、いくら良い機能があっても、売る人が理解してちゃんとお客に伝えてないと売れないですよね。
これは組織の情報共有や教育に問題があると言えます。
このように機能だけに優位性があっても、組織がちゃんと運用できてないと、それは「強み」になりません。
なので、優位性を保持するには、以下2つの要素が必要なんです。
- 模倣が困難
- これを活かせる組織になっているか?
なので、価値があって、希少性があって、模倣性が困難で、これらを活かせる組織がある。
これらが全てそろって初めて・・
継続的な競合優位になるんです!
私が思い付いたイメージトレーニング
効果が出てるか正直解りませんが、私はVRIOの仮説イメージになれるために、こんな練習をしているので1つ紹介します。
例えば、自分の好きなものをVRIOに置き換えて考えてみましょう。
私は調理器具が好きなので、電子レンジで考えてみました。
パナソニックのBistroという、値段が一番高いのに、すごく売れてる電子レンジがあります。
このBistroをVRIOに当てはめてみました。ただ、勝手な妄想なので「活かせる組織」の項目は省きます。
- 価値 →〇
電子レンジ1つであらゆる調理の自動化を実現 - 希少性 →〇
64眼スピードセンサー 空間を点で認識するセンサー - 模倣の困難 →〇
他のメーカーは真似する気はなさそう
64眼スピードセンサーという機能が、ゆでたまごをレンジで作れたりとか、数多くの自動調理を実現できたり、などなど多くの希少性を生み出してます。
※参考
https://kaden.watch.impress.co.jp/docs/news/640409.html
ハイエンドな電子レンジを求めるユーザーと、希少性のある徹底的に作りこまれたセンサー。
このニーズ(価値)と希少性が合致し、これが大きな「強み」となり、シェアを獲得したのではないかと妄想してます。
ただその反面、口コミを見ると「買ってみたが期待値を下回るものだった」・・みたいなご意見も多かったようです。
もしかしたらですが、期待値のハードルがかなり上がっているようなので、シェアを獲得したのはマーケティングや戦略の力が大きかったのかな?・・とも思いました。
最後に
今回はVRIO分析のお話をしてみたのですが、いかがでしたでしょうか。
私はこのフレームワークをそっくりそのまま使ってる訳ではないので、自己流になっている部分も少々あるかもしれません・・・
今回は機能を例として説明をさせていただきましたが、VRIO分析はサポートのサービスだったり、営業活動だったり色々応用できます。
とても便利なフレームワークなので、この機会に覚えておきましょう!