今回は「お客様のフィードバックが開発に伝わらない問題」について語ります。
営業の方やサポート、カスタマーサクセスなど、お客のフロントにたってマネージメントをしてる方は、お客から機能の要望などのフィードバックを受ける事があると思います。
でもどう開発に伝えていいか解らない。伝えてみたけど、中々意見が通らない・・
これホントにどこにでもある話なんです。
今回はどうしてこんな事が起こりやすいのか?どう伝えればよいのか?
この辺をざっくり語りたいと思います!
お客の意見こそが正義なの?
お客からフィードバックのあった機能を実装したら、必ずしもお客に喜ばれるのでしょうか?
「いやいや・・そういう事言ってるんじゃないんだよ」
良かれと思って実装したのに、こんな事を言われるって結構あります。ひどいときは、逆にすげー怒られるなんてときも・・。
実は、以前この記事で紹介した「絵」は、お客のフィードバックに関しても同じ事が言えるのです。
※とっても怖い炎上プロジェクト
https://yossy.tech/2020/02/24/pj1/
お客は最初に、左上のブランコのようなイメージを、プロダクトの要望として話してきます。でも右下の絵が、実は「お客の真の要望」だったなんて話、結構多いのです。
それ以外の絵は、それぞれお客の話を聞いて誤解している人・・みたいなイメージで見てもらうと解りやすいかも。
皆様はブランコの正しい使い方を知っているので、左上のブランコが意味不明な事は解りますよね?
このように、お客が言った事を鵜呑みにし、そのまま開発に伝えたところでプロダクトは使いやすくなりません。
お客もボンヤリしたイメージだけで、具体的な事は考えていないので、この時点では、自分の本当の課題がハッキリしてない事が多いんです。
お客の声で失敗した事例で考えてみる
お客の声で失敗した事例で有名なのが、当時、伸び悩んでいたマクドナルド。
この状況を打開しようと、お客から要望を集めたところ・・
健康的で体にも良いハンバーガーが欲しいです!
当時は、この意見がとても多かったそうです。
確かに時代はヘルシーブームでした。ならば「次は低カロリーで野菜が多いハンバーガーが来る!」と踏んで生まれた製品がこれ。
サラダマック!
でも・・これ全然売れなかったそうです。実際にマックでめっちゃ売れたのは・・
なんと!MEGAマックだったんですwwww
健康とは真逆じゃねーかよ!
このように、お客は自分でも本音が解らないまま、建前で適当な事を言うケースが多いのです。
冷静に考えてみると、マクドナルドが好きなやつが、健康なんて求めるのか?・・なんて思いません?
健康志向とファーストフードのポジションで考えてみると、サブウェイとかなら解りますが・・
マクドナルドは、そもそもそんなポジションにいません。
つまり、サラダマックはお客の要望を鵜呑みにして、ポジショニングをミスっていた、有名な失敗事例。
マックからするといい迷惑ですが、この事例は、営業やカスタマーサクセスが、お客の求めるものを誤認識する例として、ちょいちょい使われています。
この事例の教訓は、要望をまずは冷静に疑ってみる事。
でも、ただ単に疑うだけではなく、裏に隠れた「要望」を探し出す事も必要です。
例えばどうすればよいの?
例えば「よく間違えて設定が削除されてしまうから、ユーザーごとに削除権限を付けてほしい!」
・・なんてフィードバックがあったとします。
言われたままに機能を開発して、削除権限を付けた。これでこの問題は解決するんでしょうか?
権限のある人が、絶対に間違えないと言い切れるのでしょうか?
課題は「間違えて設定が削除されてしまう」です。
これって、ミスを誘発しやすいUIに問題があるケースは考えられないでしょうか?
このように「言われた機能をそのまんま開発する」はダメで、課題の解決策を考えるのが大事なのです。
考え方の例
開発チームやプロダクトマネージャに要望を伝えるとき、こんな事を意識するのがお勧めです。
※さきほどの削除権限の要望に当てはめて例を書いてみます。
- 課題は何か?
→間違えて設定を削除されてしまう - どうなれば解決?
→間違えて削除される事がなくなる事 - どんな検証が必要か?
→削除しやすいUIになってないか? 削除の際の警告は適切か?他 - エビデンス(温度感や要望の再確認)
→お客が発言した原文(議事録など)
最後に
お客の要望がうまく聞き取れていないと、無駄な機能が増えてしまう事になります。
良く解らない機能が増えるほど、難しくて解りずらくなる上に、使えねープロダクトになっていきます。
そうならないように、開発やプロダクトマネージャは、要望を疑わなければいけません。
また、営業やカスタマーサクセスが、お客から言われた事を、伝書鳩のように伝えるだけでは、プロダクトは成長しません。
なので「お客の課題」を意識し掘り下げて、伝えられるカルチャーをどれだけ作れるか。
この辺の話が問題解決の糸口かもしれません!