とっても便利な構造化~後編~

今回は構造化の後編です!


 

今回は構造化の後編です!前編では、構造化の【ブロック化】と整理の部分をお話しさせていただきました。

 

まだ前半をお読みになってない方は是非こちらから!

とっても便利な構造化 ~前編~

 

駆け出しエンジニアの方も、非エンジニアの方も、自分が携わってる「システム」の説明をするときがあると思います。

 

そんなとき「相手に伝えるのって難しいなぁ・・」なんて思った事ありませんか?

 

または、簡潔に話すべき時に、必要以上の説明をしてしまい、みんなが「?」状態になったなんて思い出ありませんかね。

 

後編はそんな「伝え方」に関連した、構造化のお話しをしたいと思います!

 

3つの表現パターン

 

システムの話しをするときは「論理的」に話す必要があります。

 

そんなとき結構使えるのがこの3つのパターン。

 

・同等関係

・対比関係

・因果関係

 

聞いたことある?

 

この3つのどれか1つを使う事で、論理的に話すことができます。

 

では、どんな風に使えるのか1つ1つ解説します!

 

まったく難しい話じゃないので、気軽な気持ちで
読んでみてくれ

 

同等関係

 

同等関係とは、別な言葉に「言い換える」手法なんです。

 

「言い換える」方法は、以下2パターン存在します。

 

・抽象化

・具体化

 

そういえば、私ちょこちょこ、別な記事でよく「抽象化して確認しよう」みたいな事書いてますよね。

 

でもよく考えたら、これの説明をちゃんとした事ありませんでした、すんません。

 

はい!なので解説します。

 

まずこの例文を見てみましょう。

 

▼文章1
昔のラーメン屋は炒飯を作るとき
サラダ油よりもラード油をよく使っていました。
なので、昔のチャーハンを再現するには火力だけではなく
ラード油を使う事で、香りや風味が近くなります。
▼文章2
つまり、懐かしいチャーハンを作るには油が重要なポイントなんです。

 

何となくお解りになると思いますが、文章1は【具体化】で、文章2は【抽象化】なんです。

 

文章1の具体化は、目的を達成する為の手順や、絵を思い浮かべる事ができます。


 

しかし、文章2の抽象化は、何を言いたいかは解るけど、この文章だけでは、手段や絵を思い浮かべるのは無理です。

 

つまり、具体化と抽象化は、どちらも同じ意味なんですが、言い方を変えて表現しているんです。

 

そう!これこそが同一関係(言い換え)!


 

同じ意味を、状況に合わせて【具体化】or 【抽象化】した表現に言い換えます。

 

ある時は【具体化】、またある時は【抽象化】、またまたある時は【両方組み合わせて】みたいに使い分けるイメージですかね。

 

同一関係の使い分け方

 

そうは言うけど、どうやって使い分けるんだよ?って方もいらっしゃると思うので、さらに解説したいと思います。

 


 

まずざっくり言うと、抽象的すぎて、何をすれば良いのか解らない場合は【具体化】を使います。

 

逆に具体的だけど、まとまりがなく、伝わらない場合は【抽象化】を使います。

 

具体的な例を、いつものノリで解説したいと思います。

 

具体化・抽象化の応用例

 

例えばこんなときに使えます。

 

昔のラーメン屋は炒飯を作るとき
サラダ油よりもラード油をよく使ってたんだよ。
なので、昔のチャーハンを再現するには火力だけではなく
油も同じ様にラード油を使う事で、香りや風味が近くなるんだよね

 

あぁーなるほど、つまり懐かしいチャーハンを作るには
油が重要って事ですね。

 

この様に、具体化された説明に対して、抽象化して確認すると、相手の意図と自分の認識に、齟齬がないかを確認する事ができます。

 

抽象化・具体化で起きるトラブル

 

注意点として、抽象化と具体化の、使い方を間違えると、トラブルに発展する場合があります。

 

これって結構身近にあるもんで、例えば営業と技術がめっちゃ仲悪い会社って結構多くないですか?

 


 

その原因の1つに「抽象化」と「具体化」があるのではないかと、私個人的に思うんですよ。

 

 

営業がよく使う【抽象化】

 

例えば、営業の方ってシステムの構成については【抽象化】で進める事が多いです。これは別に普通だと思います。

 

だって、営業に求められているのは、技術的な知識よりも売る事でしょ。

 

営業にとって重要な「決裁権者」から、システムの構成について聞かれるケースなんて、そんなにありません。

 

つまり、営業のミッションは【抽象化】した方が話が進むんです。


 

しかし【抽象化】だけで進めてしまった事で、以下の様なトラブルに発展する事があるんです。

 

・いざ導入するときに、ヒアリングした情報が少なすぎて導入が停滞してしまう

 

・関係者の認識している情報が「ふんわり」すぎて、うまく導入が進まない

 

・やりたい事が「実は出来ない」事実が契約後に発覚する

 

これはお客様に【具体化】した説明が全く出来ていなかった失敗事例です。


 

 

技術がよく使う【具体化】

 

今度は、逆に技術の方なんですが、知識があるがゆえ、必要以上に【具体化】しすぎて、ひたすら難しい内容を話し続ける場合があります。

 

【具体化】をしすぎるのは、技術の方に多い傾向です。

 

誤解されない為にも、技術者は詳しく説明する義務があるので、こうなるのも別に普通の話です。

 

でも、想像してみてください。もしこれが初の商談だったら、みんな話が解らなくて「ポカーン」です。


 

これが商談のロストに繋がり、営業が怒ったりなんて、割とよく見る光景でした。

 

昔は、こういうのが原因で「エンジニアはコミュニケーションが苦手」みたいなイメージが付きやすかったんです。

 

 

大事なのは使い方のバランス

 

一番いいのは、最初は【抽象化】で話を進めて、関係者が理解をしてきたら、【具体化】して可否を1つずつ確認する事です。

 

これを実施するには、両側の状況を解る人が商談を進めるか、誰かが状況を整理する必要があります。

 

つまり、こんな時の話の整理に、役に立つのが構造化であり【抽象化】【具体化】なんです!

 

少し話はそれるけど、この辺を使い分けて調整するのが
セールスエンジニアやシステムエンジニアの極意なんだ!

 

 

対比関係

 

次は「対比関係」について語ります。

 

「対比関係」とは一言で言うと、反対のものと比較をする事で。主張をより明確にする方法です。


 

これは、例をみるのが一番解りやすいと思います。

 

例えばこの文章

 

〇〇屋は席についてから、いつも提供に30~40分かかっている。客が最近少なくなったのは、当然の結果だろう

 

これに対比を使うとこうなります

 

私がよく行くラーメン屋の殆どは、席についてから、大体10分~15分で提供されます。
これに対して
〇〇屋は席についてから、いつも提供に30~40分かかっている。客が最近少なくなったのは、当然の結果だろう

 

どうでしょう?こうする事で、このラーメン屋がいかに待たせすぎなのか、より明確に見えませんか?

 

そう!これが対比関係なんです!

 

ちょっともう一発応用してみようか

 

応用方法

 

ビジネスでの応用方法としては、一般的な競合製品より、自社の製品が優れている部分を強調するときに使えます。

 

例えばプロダクト購入後の、アフターケアが優れてる事をアピールしたいなら、こんな感じです。

 

一般的なプロダクトは、売ったら手離れをさせて
コストをさげたい理由から、購入後の対応がよくなかったりします。
これに対し、弊社の製品は、固定の保守担当が付きますので、問題が発生した場合や、製品に関するご相談など、いつでもお気軽にお問合せする事ができるので、導入後の運用も安心です。

 

どうでしょう?こうすると、より優れてる感じがでますよね。

 

因果関係

 

次は因果関係、これは単純に「原因と結果」です。

 

単純にこんな理由で、こんな結果になりましたみたいな使い方ですね。

 

問題の全体像を割り出す方法は前編で説明したよね

 

因果関係の表現方法は、以下2パターンあります。

 

・原因から結果を説明

・結果から原因を説明

 

例えば、原因から結果を説明する場合はこうなります。

 

 

〇〇屋のチャーハンは、コスト削減の為チャーシューではなくハムを使っている。だからあんまり美味しくない。

 

今度は、結果から原因を説明してみます。

 

〇〇屋のチャーハンはあんまり美味しくない、何故ならコスト削減の為、チャーシューではなくハムを使っているからだ。

 

この様に、結果と原因の順序が変わると接続詞が変わるイメージですね。

原因から結果 だから、そのため、したがって、よって
結果から原因 何故なら、その理由は、きっかけは、というのも

 

ポイントは接続詞

 

文章のどの部分が、同等関係、対比関係、因果関係なのかは以下の様に「接続詞」から見分ける事ができます!

同等関係 つまり、例えば、この様に、要するに、言い換えれば
対比関係 しかし、それに対し、一方では、だが、けれども

因果関係
※原因から結果

だから、そのため、したがって、よって

因果関係
※結果から原因

何故なら、その理由は、きっかけは、というのも

 

みんな普段、感覚的に使ってると思うけど、改めて確認してみると
面白いでしょ。

 

まとめると

 

今回ご紹介させていただいた、「同等関係」「対比関係」「因果関係」の3つを使えば、文章を論理的に構造化できると言われています。

 

早口だけど、何故か聞いてるだけで自然に頭に入ってくる喋り方の人、スラスラ自然に読めちゃう文章を書く人っていらっしゃいますよね。

 

そういう方は、このパターンをうまく応用して解りやすく説明してるのです!

 

つまり、これこそが・・

 

構造設計された論理的な文章

 

= 解りやすい文章なんです!

 

 


 

最後に

 

今回は「構造」をテーマに前半と後半に分けてお話させてもらいました。

 

すいません、実は、構造について面白い話がもう1つだけあるんで、それだけ最後に語らせて下さい・・。

 

実は、自分を責めすぎて落ち込みやすい人は「構造思考」が効くらしいです。

 

失敗や嫌な事があったとき「結果」だけを見る人は自分をめっちゃ責めます。


 

でもよく考えてみてください。ほんとにそれって貴方のせいなんでしょうか?

 

例えば商談に失敗したとします。これ結果だけみると「失敗」ですよね。

 

でも、実は商談先の相手が前日詐欺にあって、誰も信じられない状況だったらどうですか?

 

この状況では、誰が商談しても失敗します!


 

スケールの大きい話をすると、先進国は「警察・裁判所・消防署・病院」などなど、素晴らしい社会の構造が出来ています。

 

でも毎年、予測不能な災害や社会のトラブルでたくさんの人が被害にあっていますよね。


 

更に2020年は新型コロナウイルスが現れて、経済がピンチに陥るなんて事、一体誰が予想できたでしょう。

 

こんなのもはや、完全に運です。どんなに構造が素晴らしくても、予測不能な事件はたくさん発生します。

 

つまり・・

 

世の中って「構造」と「運」で成り立っているんです。

 


 

この考え方を理解すると、状況を俯瞰で見れるようになり、自分責める前に、状況を冷静に把握できるようになるんですって!

 

 

大事なのは、状況を把握してからの次のアクションだ!

 

心当たりのある方は是非試してみてください!

 

関連書籍

今回のお話で文章の構造化について興味が出た方は、こんな本もあるのでぜひ読んでみると良いかも!


 

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